高校野球写真館

高校野球写真館

怪我に泣いた神戸国際大・岡本健の夏☆



「この夏でつぶれてもいい!!」
怪我に泣いた神戸国際大・岡本健の最後の夏☆

エース岡本3.JPG

「健ちゃんは最後まで、怪我に泣かされたね。。。(涙)」

父母会の方から試合後に漏れた一言。
この一言が全てを物語っていました。

神戸国際大付の岡本健投手は、選抜では腰痛に苦しみ、甲子園中も「明日になったら傷みが消えてたらいいのに」
といつも思っていた。
そして、春季大会は岡本投手抜きでの決勝戦、報徳VS神戸国際大付は2-3で惜敗。

夏にとてつもなく強い報徳。
報徳には何故か勝てない神戸国際大付!!
でもそのリベンジは、復活した岡本と全員野球で必ずこの夏に晴らす☆
そんな思いでこの夏に賭けていた神戸国際大付ナイン。

7.JPG

岡本君は5月いっぱい投球練習を控え、腰痛も大分完治し、いよいよ夏の予選が始まる!!という矢先の6月末・・・
まさかのヒジ痛(違和感)発症。
細心の注意をはらって夏への調整を進めていたはずなのに、なんで!?
大会直前の練習試合では、ヒジを休めるためスライダーを封印したり、針治療なども行ったけど、傷みは取れなかった。

そして4回戦で両足太ももがつるアクシデントに見舞われ降板。
その後も、だましだまし、ベスト8まで大川投手と二人でマウンドを死守してきた。

いつも笑顔の岡本投手なんだけど・・・みんなが練習中のときにふと見せる辛そうな顔。。。
レンズを通すと微妙な変化も見えてしまう。
腰痛も万全でない中、新たに発症した肘痛との闘い。見ているのが痛々しくもあった。

そんな中、いよいよ宿命の対決がやってきた!!準決勝の大一番☆
甲子園まで、あとふたつ☆
報徳の先発はスーパー1年生田村投手。
観客は外野まで超満員になった。

6.JPG

「最後の夏だから、痛くてもいける所まで行く!!この夏でつぶれてもいいからやれるだけやる!!」

神戸国際大付の先発は岡本君。

球が思うようにいかない。
打撃のいい報徳打線に捕まるが、それでも要所要所をしっかり締めて得点を与えない所はエースの意地。

そして4回に1点を取られた所ですかさず大川君に継投。
大川君もこのあと同点までに抑え、7回まで2-2の同点。
お互いランナーを出しながらも、絶対点はやらない!!絶対負けたくない!!そんなプライドを賭けた試合にも見えました。

流れが大きく変わったのは8回。
エラーがらみで2、3塁で満塁策をとったのが大川にはプレッシャーになったのか・・・
押し出しの四球~4つの四死球で一挙6点!!
あまりにも大きい失点。

2-4の時点で客席からは「もう一度岡本君を戻せば!?」
そんな声もささやかれたが・・・
監督はピッチャー交代をしなかった。

すでに岡本君の肘も限界だったのだろう。。。
試合終了まで、肘の痛みは隠していたが、毎回登板のたびに痛み止めを服用していたそうで、
その痛み止めももう効かなくなっていたのでしょうね。。。

試合終了後、整列に来れない報徳の選手が・・・足がつったのかな?
今大会は痙攣や、足がつる光景が凄く目立ってますね。。。

1.JPG

今夏も報徳の壁は厚かった。。。
それにしても、ほんの少しの事で流れが変わる野球って、やっぱ怖いですね。
そして、いかに流れを引き寄せるのかが試合の鍵でもあり、強さなのかもしれないですね。

試合後笑顔で・・・2.JPG

試合後、大川君は泣き崩れた。
球場外では一人一人に泣いてうずくまり謝ってまわった。。。
そんな大川君に、岡本君は「お前はよくやった。お前がいたからここまで来れた」と声をかけた。
「自分がキャプテンでなかったらみんなと一緒に泣くんですが・・・」
気丈なキャプテンは不完全燃焼の悔しさを押し殺し、最後まで皆の前で涙をこらえた。

物凄いゲリラ豪雨(雨天コールド)で始まった神戸国際大付の初戦。
そして、この日も9回には竜巻のような強風で砂の嵐・・・少し中断。
それは今大会、苦しい、劇的な試合の連続だった神戸国際大付の結末にふさわしい光景にも思えた。

試合終了とともに、強風とともに降ってきた大粒の雨は、怪我で苦しんだ岡本君の涙雨だったのかもしれない。

1年生秋から神戸国際大附のエースナンバーを背負ってきた岡本君の夏が今終りました。。。

4.JPG

大会屈指の好投手!!神戸国際大付・岡本健☆
故障に苦しんだ最後の春夏☆
沢山の報道陣に囲まれた長いインタビューで、最後に素直な気持ちを打ち明けてくれました。
「体調との闘いでずっと苦しかった。この夏でつぶれてもいい覚悟で全力で投げたので悔いはありません」

神戸国際大付を支えてきたエースでキャプテンは、静かに笑顔で球場を去りました。。。

5.JPG


© Rakuten Group, Inc.